①山西省運城市。劉更馬(28歳)は病気のため8歳から首に鎖を繋がれた生活をしている。彼の父親は強直性脊髄炎で身体が悪く、面倒はすべて祖父の劉遠徳がみている。
②祖父・劉遠徳は言う。
「孫は小さいころ高熱を出し、村の医者から薬を貰ったが、その薬を飲んでからおかしくなって喋らなくなった。それから村の子供たちとよく喧嘩するようになり、村民から苦情を受けた。他の子を怪我させないために、孫を鎖に繋ぐしかなかった。」
③劉遠徳は今年で76歳になる。息子が病気であるため、孫の面倒を見なければならない。彼には収入がほとんどなく、除草で村人からいくらかのお金を貰う生活だ。野菜はほとんど買ったことがないという。高いからだ。
④この20年の間、劉遠徳は何度か孫を病院に連れて行ったが、病気の原因は分からなかった。
「孫はもう誰かを攻撃することはないし、話もよく聞く。腹が減ったら減ったと要求するし、のどが渇けば水を飲ます。散髪するときは起き上がってきて、ハサミを入れているとき以外は、おとなしい。」
⑤劉遠徳が仕事に行くときは、例え短時間でも門に鍵を掛ける。安全のため、窓は木材でほとんど封印してしまい、劉更馬は小窓から外が見られるだけだ。
⑥この20年、劉更馬は一切喋らない。しかし、誰かが喋ったり門を開けると彼は反応する。誰かが来たと分かると起き上がり小窓から外を見るが、喋ることはない。
⑦今後の生活と孫の状況に劉遠徳は涙した。
「俺ももういい年だ。いつ逝ってもおかしくはない。孫のことについては考えたくもない。息子が大病を患っていて、望みが全くないからだ。」